管理番号 | 新品 :78162976 | 発売日 | 2024/03/12 | 定価 | 94,800円 | 型番 | 78162976 | ||
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前田斎 MA 「間」−962 1996年 絵画 日本画 額縁 作者不詳 現代アート 使用に伴う傷や汚れがあります。 神経質な方はご遠慮ください。 写真をご覧頂き判断下さい。 ご検討宜しくお願い致します。 長崎市茂木町出身の前田齊(1939-2021)は、社会や人間の存在、あるいは光と闇といった重厚なテーマを洗練されたデザイン的感覚によって表現する独自の作風によって人気を博しました。 武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)卒業後、デザイナーとして勤務する傍ら自身の制作を続けていた前田にとって大きな転機となったのが1960年代後半です。1967年、第4回国際青年美術家展において大賞・留学賞を受賞しパリへの留学を果たすと、帰国後の1969年には第10回サンパウロ・ビエンナーレに日本代表として出品するなど、瞬く間にその名をとどろかせました。 前田の制作を大きく特徴づけているのが、エアブラシを用いた滑らかな色面やフォルムの反復です。緻密な作業を含む手の痕跡が可能な限り排除され、デザイン的に構成された画面では、作り手の身体性は希薄なものとなり、どこか空虚な世界が広がります。そもそも《類化》《人間市場》といった1960年代後半の作品につけられたタイトルからもわかるとおり、前田が画業において一貫して取り組んできたのは、社会という枠組みの中で生きる人間という存在の在り方についての問題でした。前田の制作手法もまた、個々の人間の存在が希薄となった社会のありようを強調しているかのようです。そして1980年代以降制作された「MA(間)」、「Chocolate City」などのシリーズにおいてもこうした意識は継続しつつ、視点はより広く、人間や社会を包摂する「世界」へと向けられてゆくこととなります。